チェコと日本の文化、習慣の違い その3

2021年01月26日

前回からシリーズでご紹介している「チェコと日本の文化、習慣の違い」ですが、挙げ始めたらキリがありません。次から次へと出てくるのですが、チェコ人は日本人となんとなく似ているなあと感じることも時々あります。似ている部分や違った部分を含めて今回もご紹介していきます。

<傘をささない>

日本では雨が降ったら傘をさす、雨予報だと折り畳み傘を持って外出する。という人が多いですよね。ところがチェコでは傘をささない人が多くいます。

これはチェコに限らず海外の色んな国に当てはまりますが、傘をさす人が少ない傾向にあります。チェコは日本と同様に美しい四季がありますが、チェコでは雨が降っても、一日中ずーっと降るということはほとんどありません。
ザーッと降った後にはやむので、日本のように降水量が多いわけではありません。雨予報の日には折り畳み傘を持ち歩く人もいますが、小雨の場合は傘をささずに歩く人が多い印象です。また、雪の日にも傘はほとんどさしません。雨の日も雪の日も傘の代わりと言ってはなんですが、フード付きのジャケットのフードを被って歩く人の姿をよく見かけます。そういう私も雪の日はフードを被って歩いたりします。
ちなみに傘は日本のようにデザインの種類は多くはありませんし、軽量の折り畳み傘なんていうのも私はチェコでは見たことがないので、次に日本に一時帰国する時には日本で折り畳み傘を買おうと思っている程です。チェコを旅行する予定がある方は予備として軽量の折り畳み傘を持ってくるのがおすすめです。

<冬は家の中があたたかい>

チェコは最高気温が氷点下なんていう日もあります。「冬のチェコはさぞかし寒いことだろう」と思う方が多いことでしょう。確かにチェコの冬は寒いです。毎日雪が降る年や地域もあります。しかしながら、家の中はとてもあたたかいので快適なんです。
チェコでは(チェコ以外のヨーロッパなども含む)、「セントラルヒーテイング」という暖房が備わっています。

このセントラルヒーテイングは給油機から熱いお湯がパイプを通して家の中に循環しており、各部屋にはラジエターが設置されています。しかもこれが部屋だけでなく、玄関やトイレ、お風呂にも設置されているので、家の中のどこに行ってもあたたかいのです。また、火事の心配もないので外出時もつけっぱなしです。そのため、寒い日に買い物から帰ってきたりしても玄関に入った瞬間からあたかかくポカポカです。冬でも家の中では半袖なんていう人も結構います。洗濯物もすぐに乾くというメリットもありますが、乾燥しやすいのでお肌はカサカサになりがちというデメリットもあります。外は寒いので着こんで気合を入れて外出したりしますが、建物内はあたたかいので正直なところ、冬は日本の家より快適だなあと感じます。

<日本と同じで靴を脱ぐ>

日本とチェコの文化や習慣の違いを紹介していますが、同じような習慣もあったりします。
それは、「靴を脱ぐ」という文化。ヨーロッパでは靴を脱がずに靴のまま家に入る国も多くありますが、チェコは靴を脱ぐ家庭が多いです。土足の家もあるそうですが、私自身、土足の家にはまだ出会ったことがありません。ごくまれに、来客だから「靴は履いたままでいいよ」と言われることもあります。しかしながら、その家の主人が靴を脱いでいるのであれば私は靴を脱いでいます。ただ、日本と違って「玄関」の仕組に戸惑ってしまうこともあります。日本の玄関は段差があったりしますがチェコにはそれがないので、どこまでが玄関の土足OKラインでどこからが土足NGラインなのか?と迷ってしまうこともあります。そんな時は玄関のドア開けたすぐ近くで靴を脱いだり、家の主に聞いたりすることもあります。また、靴を脱ぐと日本と同じようにスリッパや室内履きのサンダルを出してくれる家もあるので、それを履いて家の中に入ります。我が家も室内履きに履き替えていますが、日本人としては外履きでキッチンに行ったり寝室に行くのはかなり抵抗があるので、チェコが靴を脱ぐ文化でよかったなあと感じます。

<ペットボトルのビールがある>

チェコ=ビール というイメージがある方もいらっしゃるかもしれません。
そう、チェコはビール大国。ビールというとドイツやベルギーでは?と思う方もいると思いますが、チェコはビールの1人当たりの年間消費量が世界一という、とにかくビールを飲む国なのです。ビールの話について語り始めると、1つの記事では終わらないので今回はペットボトルのビールについて触れてみます。日本では市販のビールというと缶ビール、瓶ビールが一般的ですが、チェコではそれに付け加えてペットボトルのビールが売られているのです。

1.5リットルや2リットルだったりしますが、まるでジュースのように堂々とペットボトルのビールが並んでいます。
初めて見た時には思わず笑ってしまいましたが、実際にそれだけビールを飲む人がおり、それだけ売れるということですね。我が家はそこまでビールを一度に飲むことは少ないのであまりペットボトルのビールを買うことはありませんが、数人で飲む時やたくさんビールを飲む人にとってはペットボトルの方が安上がりになると思います。日本人にとってはペットボトルのビールは珍しいので、お土産にしても喜ばれるかと思います。ビールの種類が豊富なのは言うまでもありませんが、ペットボトルのビールまであるのがビール大国、チェコの誇りだったりするのかもしれませんね。

チェコと日本は遠く離れている分、文化や習慣は異なる部分も多いですが、靴を脱ぐなど日本人にとっては親しみがわいたり、受け入れやすい部分もあります。チェコに暮らしているとそれに慣れてしまっている部分がありますが、改めて意識して見つめてみると、新たな発見があったりして面白く感じることもあります。