角砂糖はチェコ生まれ

2021年08月10日

ふらっと立ち寄ったブルノのメンデル広場でかわいい不思議なメリーゴーランドを見つけました。何かのイベントの期間限定で出没していたようですが、これについて調べてみたら、なんと、この白い馬は白砂糖で作られたみたいです。

食べられるのかな...?
そんなことを考えていたら、今日はチェコの発明品の一つ、角砂糖について思い出しました。
角砂糖が実は、チェコの発明品だということを知っていましたか?
私は、チェコのカフェで角砂糖を出されると「いいね~」、「粋だねえ」と思ってしまいます。残念ながら今はコロナの影響で、カフェで出される砂糖は個包装になっているものが多くなってしまいましたが...。
角砂糖はモラビア地方のオーストリアに近い町、Dačice(ダチツェ)で作られました。
ナポレオン戦争終結後、1920年代にハプスブルク帝国でテンサイから砂糖を生産する試みが再開されました。近代の最初のテンサイ製糖工場は、1829年にDačiceの近くの町の邸宅にて設立されました。
残念ながらこのDačice周辺の土壌は(海抜約500 m )テンサイの栽培にはあまり適していませんでした。
ですから、製糖工場はすぐに高品質の加工原料を欠き、徐々にジャガイモの砂糖シロップに交換する必要があったようです。そのため工場自体は長くは続かず、1832年にはすでにテンサイの加工を終えました。 しかし、ボヘミアとモラビアの他の企業のモデルになったそうです。

1833年、ウィーンの銀行家に財政的支援を受けて、Dačiceに直接製糖所を設立しました。製糖所は広場の建物(現在はPalackého náměstí 4 - MěKS)に設立され、後に近隣の建物に拡張されました。当初は、イタリアのトリエステからウィーン経由でワゴンによってDačiceに輸入されたサトウキビ(třtinový cukr)のみを処理していました。モラビアで最初の黒砂糖製糖所になりました。

1844年以降、国内からのテンサイ(řepný cukr)のみを処理しました。製糖所は市に経済回復をもたらし、多くの専門家を招き、新しい雇用を創出しました。

しかし、1839年に会社は財政難に陥り、1840年の春に、スイスのラインフェルデン生まれのウィーンに住んでいたJakub Kryštof Rad (ヤコブ・クリシュトフ・ラド)という新しい取締役を呼びました。

そこでJakub Kryštof Radの奥さんの主婦のJuliana Radová(ユリアナ・ラドヴァー)が発明するのです!
この時代では、食べ物を甘くするためには大きな砂糖の塊を切り落として使っていました。大きな包丁、そして力仕事...、なかなか女の人には難しい作業だったと思います。そして危険もつきもの。
1841年8月のある日、彼女が大きな砂糖の塊を砕こうとしたとき、ケガをしてしまいました。それから彼女は、夫と昼食時の呼びかけに居合わせていたDačice製糖所の他の役人に、どうやったら、難しくて負担になる砂糖の切り刻みをなくすことができるか、砂糖の塊(Homole cukru、当時は高さ30cmの円錐台の形)の割らなくて済むことができるかを見つけるように伝えました。
彼女は、砂糖の数をちゃんと数えられるように、そしてよく保管できるようにするため、立方体の形で作ることを提案したと言われています。

Jakub Kryštof Radは立方体の砂糖生産のためのプレスを作り、そして1842年の終わりに、Dačiceで角砂糖を製造する特権をウィーンの法廷に申請しました。その特権は1843年1月23日に与えられました。1843年の秋に、ダチツェ製糖所は市場向けの角砂糖の生産を開始しました。この発明の改良された形式は、今日でも世界中の製糖所で使用されています。

  • Městské muzeum a galerie Dačice村立博物館、ギャラリーに角砂糖発祥の展示があり、歴史だけではなく、道具が展示されていたり、砂糖に関するものや砂糖の個包装紙などがあります。町の生活の展示などもあります。

  • Památník první kostky cukru na světě 角砂糖発祥記念碑が工場跡に記念碑が建てられています。色々な言語で「世界中最初の角砂糖を1843年ダチツェで製造しました」と書かれています。日本語もありました。日本語で書かれているのを見たとき、ちょっぴりうれしくなりました。

他にもDačiceには、インスタ映え?のきれいな色のお城や街を一望できるタワー、こじんまりとした飛行機ミュージアム(Letecké muzeum Viléma Götha v Dačicích)などがあります。

Praha(プラハ)のバス停からバスで一本で行けます。Prahaからは大体三時間程度で、結構知っている人がいるあのTelč(テルチ)からは30分かからないで行けるみたいです。Telčのついでに寄ってみるのもいいかもしれないですね。