1942年5月27日「エンスラポイド作戦」①

2017年05月27日

昨日の記事でご紹介した記念切手です。

上部には飛行機、右側にはパラシュートで降下する2人の人の姿、左には窓ガラスが割られている窓、下部には穴があり、そしてその周りに小さな穴がいくつも空いています。
中欧には、壊れた一台の車と一丁の銃、爆弾が一つ描かれています。
75年前の今日、一つの作戦が実行されました。

その名も、『類人猿作戦』エンスラポイド作戦と呼ばれています。

ラインハルト・ハイドリヒの暗殺計画が実行された日です。
チェコの新聞『Lidové Noviny』にても先週の金曜日から来月にかけて特別連載が始まり、また、本屋さんでも75周年を記念した書籍が出版されています。

チェコスロヴァキアが保護領とされたときの地図です。

テレビでもこの日を舞台にした作品が流れました。
テレビでもこの日を舞台にした作品が流れました。

一冊の本をご紹介いたします。類人猿作戦に関連した日本語の本で私が日本から持ってきた本はこの一冊しかありません。
ローラン・ビネ作『HHhH』
訳者あとがきで翻訳された高橋啓さんはこの作品を「小説を書く小説」と表現されました。
多くの詳細な記録にあたりつつ類人猿作戦を描いていくのですが、 
作者が自分の小説を作成しているときの想い、作者と周囲との会話などをも綴っています。
初読の際はこんな小説もあるのか、という小説そのものの印象が強くあったのですが、チェコに来て読んでいますと、場所がどこかがわかる上に、遺品や記念碑などを目にする機会もあり、全身に寒気が走る瞬間があるのですが、この作品の中に作者が登場してくれることで一歩下がれることで救われているな気持ちになりながら読み進められています。

そして、こちらは、類人猿作戦についてのガイドブックです。私が持っている中で一番重いガイドブックです。『HHhH』に出てくる登場人物は全員実在の人物で、このガイドブックの中ではその方々の写真や勇気ある行動の数々が収められています。

これらの本を直接手に取ってお読みいただいた方がよいのはいうまでもないことですが、チェコを訪れる日本の皆様に舞台となった場所の行き方などはご紹介できますので、作戦の内容とともにご紹介したいと思います。