チェコの薬

2021年08月25日

チェコ語を勉強していると、ツッコミどころのある挿絵とともに、風邪っぽいので「お医者さんにかかりに行く」というテーマが出てきます。現地でこのテーマを使うことはなるべく避けたいですが、せっかくなのでチェコ人はどんな薬を使うのか調べてみたいと思います。
まずはじめに、チェコで生活していて度々、ん?と思うこと、思わされることがあります(あるんですよ...)。
それもまた、チェコで生活をするのに面白い要素の一つではあると思うのですが、中でもこの「お医者さんにかかりに行く」というテーマの中では、診察の時にお茶(ハーブティー)を飲むことをお医者さん本人から勧められます。チェコ人は風邪はお茶で治ると思っているのか...。風邪っぽくてわざわざ病院にかかりに来たのに、スーパーで買えるようなお茶を勧めやがって...。と、チェコ語を勉強し始めた時は思いました。
仮にお茶で治るとして、何日も飲み続けて、やっと1週間ぐらいで治る、とすると、お茶を飲まなかったとして、自然治癒してもたぶんそのくらいで治りますよね...(憶測)。
おいおい、どういうことなんだ...。
機会があったので、この思い、そしてチェコ人はこのことに対してどう思っているのか、とチェコ人に聞いてみたら、確かに1週間くらい治るのに時間がかかるけれど、薬を飲むより健康的だから。(笑)と言われました。ほんのり笑っていました。でもやっぱり、軽い風邪や体の初期の不調の時にしか使えないそうです。そりゃそうか...。

風邪だけでなく、他にも私がびっくりしたナチュラル志向のチェコの薬はどんなものがあるのか教えてもらったもの、使ってみたものを紹介したいと思います。
先ほどから出ているお茶やハーブティーでは、風邪の時に飲むものから始まり、食べ過ぎ、寝つきと不安、便秘、デトックス、ビタミンc、胃と腸、肝臓に効くなどなど、種類も豊富で、お手頃価格で買うことができます。少し薬の味がするのもあれば、飲むのに全く抵抗がない物もあります。

歯が痛いとき
歯が痛いとき、日本では市販の薬を飲む、または歯医者さんで処方してもらうことが一般的だと思いますが、チェコではタイム (Tymián)のハーブティーを飲む。そうすると少し和らぐそうです。タイムにそのままお湯を注ぐスタイル。他にも、カモミール (Heřmánek)、セージ(Šalvěj)、オーク(楢)の樹皮 (Dubová kůra)が効くみたいです。

ここで疑問、オークの樹皮とは...、どんな味がするのだろうか...。
ちなみに、ドングリのなる木の種類の一つで、チェコ人にはかなり身近な木です。
有名なものでブルノでは、モラヴィア広場 (Moravské náměstí)にあります。1985年に、ブルノ市の全国委員会によって、記念されている大きな樹木です。理由としては、公園で一番強い樹木ということ、また特異な樹木だからだそうです。健康でおおよそ150年の歴史があるそうです。

痔のとき
こちらもオークの樹皮が効くみたいです。お茶にして飲む、お風呂に入れる、ジェルタイプの塗り薬など、種類が多くてびっくりしました。

便秘のとき
ハーブティーを飲む、そしてドライフルーツを食べるといいそうです。日本ではドライフルーツは少し高価なものといった印象があるのですが、現在はどうなのでしょうか。
チェコでは良くおばあちゃんたちがたくさん買っていると思います。日本よりも低価格なのと、種類が多いような気がします

お腹をくだしたとき
炭の粒を口に入れて、水で飲み干すか、もしくは炭の粒を水の中に入れて溶かして飲むか、の2パターンができます。チェコで食べ物や飲み物にあたることはほとんどないのですが、私は何かにあたった時があって(基本お腹は強いほうだと自覚していたのに...)これを飲みました。
日本で炭を飲む?食べる?ことがなかったので、ちょっとビックリしましたし、勇気が必要でしたが、効いたと思います。日本では飲む炭ダイエットがあるらしいですね〜

二日酔いのとき
チェコは、ビールもワインもおいしい!ついつい飲みすぎちゃって、次の日頭痛やだるさなど、残ってしまうときがありますよね。私の日本のイメージでは、二日酔いの薬や飲み物を飲み会の前にコンビニで買って飲んでいくというものがあります(笑)
チェコ人も体質によっては、もちろん二日酔いになっている人もいるし、見かけます。そんなときは、ヴィンセントカ(Vincentka)を飲みましょう。
ヴィンセントカは、チェコで4番目に大きい温泉地、モラビアでは1番大きい温泉地のルハチョヴィツェ(Luhačovice)で作られています。すごく癖のある味で、そして炭酸。温泉の味の独特さもあって、一気飲みはキツイ、そんな飲み物です。

ルハチョヴィツェは観光客向けというよりも、どちらかというとチェコ人や近隣の国の人に人気のある温泉街です。建築も素晴らしくて、私はまだ行ったことがないので、行った際にはまたブログに書くことができたらいいなあと思っています。お楽しみに!

もちろん薬局にはイブプロフェンとかバファリンもありますよ。
チェコ人もいざとなったら飲みます。でも、この情報を頭の片隅に入れておくと、自分を守る生きる知恵にもなるし、薬を飲もうとしているチェコ人にもいたわりの気持ちをもって、優しくなれそうですね。