野球チェコ代表チームのキャプテン、ペテル・ジーマ選手へのインタビュー

2023年08月19日

チェコに長い間住んでいますと仕事や友人関係を通じてさまざまな人々と知り合う機会があります。
先日、WBCチェコ代表チームの主将を務めたペテル・シーマ選手とお話しする機会がありましたので、こちらでその様子をご紹介します。(チェコの野球の試合の観戦に行きました際も話してくれたりボールにサインしてくれました。これは一重に日本のみなさんのおかげだと思っています。)その後食事をする機会などにも恵まれまして、また、ちょうどこのタイミングで日本からも面白い人⚾️が訪ねてきまして、現在おもしろプロジェクトが進行中です⚾️ こちらはまた後日、記事にして紹介できたらなと思っています。
せっかくお会いできた機会なので、ジーマ選手に食事中に色々インタビューしたことをこの度記事にしてみました。
日本での滞在中のおもしろエピソード話が一番面白かったのですが、秘密にしておいてと言われましたのでまたいつかチャンスがあれば。

野球を始めたきっかけは?

両親は野球とソフトボールをプレーし、二人ともヨーロッパの殿堂入りを果たして、代表チームのキャプテンを務めていました。幼い頃から両親と一緒に試合に行き、バットやボールを運ぶ手伝いをしていましたので、私にとって野球はとても身近なスポーツでした。そして、私は常に野球で良い成績を収めていました、これはかなり重要なことでした(笑)。11歳からは国内代表チームの一員として活動してきました。チェコの代表チームでプレーすることはとても光栄なことです。選手たちは大切にされ、世界を旅し、優れたチームと対戦する機会を得ることができます。 強豪との対戦は自分たちをさらに高める刺激をもたらします。ビジネスにも同じことが当てはまります。自分を駆り立てる人々、モチベーションを上げてくれる人々と一緒にいたいと考えます。無理なく満足してしまう状況や、プレッシャーやビジョンがない場所にはいたくないのです。プレッシャー感じることにとても幸せを感じています。 私がキャプテンとして、常に試みてきたことは、チーム内で皆が自分らしくいられる環境を作ることでした。ルールを尊重する一方で、チームに自分の長所を持ち込むめるようにしたことで、チームメイトはそれを高く評価してくれて、1年前に私をキャプテンに選出してくれました。正直に言って、夢にも思わなかったことであり、信じられないほどの名誉です。両親の実績に追いつくとは思ってもみなかったですし、彼らのような役割を果たすことになるとは思ってもみなかったのに、突然現実になりました。

プレッシャーに打ち勝つには?

プレッシャーは私たちが自分の頭の中でプレッシャーと認識するものだけです。人が緊張しているときは、深呼吸をし、冗談を言ったり、相手に微笑んでみることで、相手も笑顔で応えてくれるでしょう。そうすることで緊張が解け、プレッシャーから解放されやすくなると思います。チームのリーダーとして、私がプレッシャーを感じてナーバスになってしまうと、チーム全体のムードを壊すことになるので、気をつけてきましたし、ストレスと向き合う方法を真剣に導き出してきました。

お休みの過ごしかたは?

野球以外のスポーツも大好きで、休みの日にはサイクリング、ビーチバレーボール、水泳、ウォーキング、ランニングなどをします。先日、妻と娘と一緒に、プラハ近郊のディヴォカー・シャールカ(Divoká Šárka)を自転車で10キロ走りました。展望台や洞窟に登り、その後コーヒーやビールを楽しみました。

他には、コテージでの大工仕事が好きです。コンピュータの前で一日中座っている仕事なので、何かに触れることが恋しくなります。そこでCOVID-19中に、コテージを購入し、伝統的な木材接合方法を学ぶことから始めました。コテージにいるときは、一人で静かに過ごし、気づいたら8時間もの間、何も食べずに飲まずに取り組んでいたこともあります。

私はライフバランスを大切にしています。仕事、ビジネス、スポーツ、家族、それぞれをバランスよく豊かに持つことが重要だと思います。

次回、来日するとしたらどこに行きたいですか?

東京にとても魅了されました。大都市にも関わらず、とても清潔であることに驚きました。あとは富士山に行きたいですね。それに、新幹線にも乗ってみたいです。3月に訪れた際、宮崎でサーフィンを楽しんだことが素晴らしい思い出です。もう一度やってみたいですね。 また、広島と長崎も歴史的な観点から興味深く、伝統的な村や、より小さな都市も見てみたいと思っています。人々が実際にどのように生活しているのか興味があります。 あとは、相撲や野球の試合を観戦したいです。日本の大手企業は自社の野球チームを持たれていると聞いたので、社会人リーグの選手と会って、仕組みを伺い、チェコの野球界の発展に活かしたいです
ツイッターのフォロワーさん、ぜひお薦めの場所があれば教えてください。

来日時に驚いたことや好きな食べ物はありましたか?
試合前の宮崎キャンプではラーメンや和牛を食べる機会があり、どちらもとても美味しかったです。ラーメン屋さんを訪れた際に、入り口のマシーンに料理写真と番号が表示されていて、とても簡単に注文できる仕組みに驚きました。 また、おにぎりをとても気に入り、試合中いつもおにぎりを食べていました。 試合後、伝統的なお寿司屋さんにも行って、床に座って食事をしました。私はちょうどその日、背中がひどい痙攣を起こし、柔軟性に欠けていたので、床に座って食事をすることは大変でしたが、とても美味しかったです(笑)

カルチャーショックはありましたか?

日本のマスク文化には驚かされました。マスクの規制が終了していても、多くの人がマスクを着用していました。日本人は信じがたいほど親切で、マスクを着用していなくても、私たちを尊重しながら一緒にビールを飲んだり、礼儀正しく接してくれました。私たちが何かを言った後、「おー」というような反応があり、私たちも冗談で「おー」と返し、そのやりとりを楽しみました。また、みんなもそれを面白がってくれていました。欧州の記者は、単にどんな打撃をしたか質問しますが、日本の記者は興味深い質問をしてくれ、私たちが野球を始めた動機にも興味を持ってくれました。チームメンバーのバックグラウンドにも興味を持っていただけたのは大変嬉しいことでした。

本業はトレーダー

いつ頃、何がきっかけでトレーダーに

野球の奨学金を受けてアメリカの大学でファイナンスを学びました。私の人生は野球と共にあるといえるでしょう。私はファイナンスの分野に惹かれ、主に株式と債券投資を行っていました。これが私の最初の取引で、大学の3年生の頃でした。 大学卒業後、チェコ共和国に帰国し、証券トレーダー職を探して、FXブローカーで働き始めました。そこで初めて通貨ペア、つまりFX、商品指数に初めて触れました。仕事を通じてトレーダーやFX、レバレッジを深く知ることになります。 そして、すぐにそれが今まで学んだ分野とはまた違うこと、非常に複雑であることに気づきました。まさにゼロから始める必要があると感じました。学校で学んだことを、実際のビジネスにどのように応用すれば良いのかわからない状態でした。

FXトレードについて仕事で学んだとお答えいただきましたが、どのように学ばれましたか?

私の最初のポジションは「キーアカウントマネージャー」でした。個人のお客様に加えて法人アカウントも管理しました。主にスペキュレーションの対象となる金融商品をトレードしていました - FX通貨ペア、指数などの商品です。私は理論派ではなく本を読み込むタイプでもありませんので、デモトレードを完全にスキップし、すぐにリアル口座へ資金を入れましたが、かなり早く失いました。それから試行錯誤が始まるのですが、当時はポジションについての知識が乏しく、レバレッジについても注意する必要があることを知りませんでした。この最初の経験は、私のFXへの興味をさらに引き立て、本などを通じて学習しました。でも、私はトレードにおいてメンタルが重要だと信じています。私の得意分野であり、長年にわたり良い結果を出してきました。 野球は何度も失敗を経験するゲームで、鋼のようなメンタルを持つ人が長期的に成功します。私は野球を通じてFXに重要なメンタルを鍛え、失敗から学ぶということを理解しました。野球が私にそれを教えてくれたことにとても満足しています。

ご自身のトレードスタイルについて教えてください。

まず第一に、トレードに関して方向性を知る必要があります。市場を動かす要因や、マーケットデータを知らなければならないと思います。よくあることですが、何らかの動きや変動が起こると、私は素早く着目し、しばらくそれを観察して確認を進めます。常にそれらの動きを特定することができるわけではありませんが、それはトレーダーへ何らかの大きな影響を与えるかもしれません。もちろん、その動機はわかりませんが、ほとんどの場合、いくつかの地政学的なリスクが存在します。 また、私のモットーは、完璧なトレードエントリーを見つけようとしないことです。逆に、しばらくは市場が私の予想に反することを期待しています。それには、最初に少しのポジションでエントリーして、追加のエントリーを用意して、下落するマーケットを「捉える」準備をしています。初心者にありがちなパニック状態に陥ることはありません。 もし完全に判断ミスをおかしても、比較的、許容範囲の損失でトレードを決裁し、大きな影響を与えないよう冷静かつ素早く行います。

トレードにおいて自分自身に設けているルールはありますか?

市場の下落に備えることは重要で、どんな状況下でも対処できるようにしています。これは完璧なトレードエントリーを狙うのではなく、損失を受け入れることを意味します。リスクを管理し、自分のミスを受け止め、「もしも」の悪いイメージを持ったトレードモードにならないことが大切です。現実の状況を受け止め、また来るチャンスを信じて、行動なしに利益を得ることはできないことを覚えておくこと、また理論的にならないことが大切だと思います。利益を得るには行動を起こさなければなりません。景気後退や市場の下落を警告するとき、私は先頭に立って状況を楽しみます。しかしそれは初心者向きとは言えない状況なので、ご注意ください。

心の状態をできるだけ良い状態に保つためにどんなことをしていますか?

トレードをする際は、感情を封印して、ただの数字として捉えています。トレードにおいて、考えるのは3つのシナリオのみです。利益が出る、損失が出る、または何らかの評価損益に影響が生じる。 私のタスクは、トレーディングを通して良い利回りを提供することです。今はリスクを許容する状態にあり、楽しんでトレードを行なっています。そして、ツールについて熟知しています。トレーディングはツールが命だと言っても過言ではないと思っています。そして、全てのトレーダーがツールをうまく使いこなすと、健全なトレードに辿り着くと思います。

🇨🇿チェコ共和国について、おすすめの場所がありましたらいくつかお教えください。🇨🇿

 日本人はチェスキー・クルムロフ(Český Krumlov)がとても好きですよね。

 南ボヘミアに来られる際は、ターボル(Tábor)という町をお勧めします。そして、チェスケー・ブジェヨビツェ(České Budějovice)やインドルジフーフ・フラデツ(Jindřichův Hradec)もきっと興味を持っていただけると思います。
インドルジフーフ・フラデツは南部の小さな谷に位置する、かなり小さな町です。
 チェコのクルコノシェ山脈(Krkonoše)やスニェシュカ山(Sněžka)などの山々、イゼルスケー山脈(Jizerské hory)も好きですね。イゼルスケー山脈では、比較的小さなエリアに300-400kmのトレイルが広がっており、サイクリングを楽しむことができます。
 次に、ピルゼン(Plzeň)は歴史的な場所で第二次世界大戦中、アメリカ軍によって解放されたと同時に、チェコの国宝であるピルスナー・ウルケルが醸造される街です。このブランドの一部は日本のアサヒが所有しています。

 最後に、南モラヴィア地方はワインが美味しいですよ。フストペチェ(Hustopeče)やブジェツラフ(Břeclav)などの小さな村や、パヴロフ(Pavlov)もあります。パヴロフでは、パーラバ(Pálava)という品種のブドウが育てられており、これはモラヴィア地方で育成された白ワイン用の品種で、また同名の保護区です。秋にはワインフェスティバルも開催されるので、お勧めです。 

チェコ料理は、グラーシュ(goulash・チェコの代表的なスープ)やヴェプショ・クネドロ・ゼロ(knedlo-vepřo-zelo・ローストポーク クネドリーキとザワークラウト添え)が好きです。

ぜひ世界中の方に食べていただきたいです。

最後に一言お願いいたします。

今回、このような機会をいただいたことにとても感謝しています。
私たちはWBCで最善のプレーをするために一生懸命努力をしてきました。その結果、とてもいい経験となりました。
私たちは今まで通りファンの皆様の期待に添えるよう、情熱を持ってプレーをしていきたいと思います。
私たちは失敗に立ち向かうメンタルができていますし、その状況を楽しむこともできます。
プロでありながら、人間味を持ち、それがプレーを越えて、世界の誰かの助けや楽しみになれば幸いです。