チェコのイースターは少し独特? チェコのイースターを楽しもう! その2

2021年03月22日

前回チェコのイースターについて紹介しましたが、チェコのイースターは他にも魅力がたくさん。ちょっと風変わりで独特なチェコのイースター、今回もひきつづき紹介していきます。

<イースターのシンボル ・ イースターエッグとウサギ、子羊>

イースターというとカラフルな卵のイースターエッグ、ウサギを見かけますよね。
それぞれに実は意味があるんです。

【イースターエッグ】

卵は生命の始まりを意味すると言われています。
卵の殻を破って誕生するということは大きなパワーが必要で、イエスキリストが死という殻を破って復活したことにより卵がシンボルとなっていると言われています。

【ウサギ】

ウサギは多産で子だくさん。そのため、子孫繁栄を象徴し豊穣のシンボルと考えられています。

【子羊】

子羊はイエスキリストの象徴と言われています。

<チェコのイースターエッグKraslice>

チェコのイースターエッグはKraslice(クラスリツェ)と呼ばれます。

イースター時期に開催されるイースターマーケットなどでは、非常に美しく装飾されたクラスリツエを目にすると思います。
卵には細かい手描きの装飾が施されていますが、デザインの豊富さ、色使いなど様々です。卵で作られているので割れやすく取り扱いには注意が必要ですが、お土産にも喜ばれる逸品です。
また、イースターというと「エッグハント」と呼ばれる卵探しが有名ですが、チェコではあまりポピュラーではないようで私自身、その光景を見たことがありません。
その代わりというわけではないですが、前回ご紹介したポムラースカでお尻を叩き卵を渡すという光景はよく目にします。

<チェコのイースターシーズンの食べもの>

チェコのイースターにはパンやお菓子などを食べます。この時期はスーパーなどの店頭にも多く並ぶので買う人も多いですが、作る家庭も多い印象です。ここではよく知られる食べ物をご紹介します。

Beránek・ベラーネック(子羊)

子羊の形のケーキです。子羊の形をした型があり、その型を使い焼くスポンジケーキです。
子羊はイエスキリストの象徴であると同時に生命力の象徴、神への捧げものでもありますが、羊の肉は高価でなかなか買うことが難しいことから、子羊の形をしたケーキを作るようになったと言われています。
チェコのイースター前にはこの子羊の型がスーパーなどにも並びますが、すでにケーキとなった状態で売られてもいるので、作らずに買う家庭も多いようです。粉糖がかかっているものやチョコレートでトッピングされているものもあります。また、羊の表情も型によって様々なのも見ていて面白いものです。

mazaneマザネッツ(十字のパン)】

マザネッツはレーズン、ラム、アーモンドなどが入った甘いパンで、キリスト教らしく十字のクープが入ったパンです。スーパーやベーカリーでも買えますが、やはり家で作る人が多いようです。

【Jidáše・イダーシェ(ロープ)】

チェコのイースターで私が驚いた食べ物の1つが「イダーシェ」。

イエスキリストと言えば、弟子であったユダに裏切られたことで知られていますが、「イダーシェ」はユダのこと。
ユダは首を吊りますが、その時のロープを表しているのがこのイダーシェというパンなんだとか。
ちょっと怖い・・・と思いますが、実はこのパンを食べると、人に裏切られることがなくなると言われています。
また、イダーシェは聖水曜日の夜に焼き、聖木曜日の日の出に食べるとその効果があると言われています。

【Nádivka・ナーデイフカ】
西洋イラクサなどのハーブと、ウサギや子羊などの肉を使いオーブンで焼く料理です。これは白い土曜日に食べます。

<チェコのイースターのスケジュール>
チェコではイースター当日まで、それぞれ呼ばれ方や過ごし方があります。
先ほど、食べ物の項目で聖水曜日に焼くとか、白い土曜日に食べるなどと書いたのですが、そのイースター期間の日程は以下になります。
また、曜日によってそれぞれ習慣があります。
地域や家庭によっても異なりますが、その一部を簡単にご紹介します。
尚、2021年の復活祭は4月4日の日曜になるので、3月29日が青い月曜日となります。

  • 月:Modré pondělí(青い月曜日)仕事をしてはいけないと言われている日
    火:Šedivé úterý/Žluté úterý(灰色の火曜日/黄色の火曜日)主婦はほうきを持ってクモの巣や窓を掃除する
    水:Škaredá středa(醜い水曜日)ユダがキリストを裏切った日ということで「醜い水曜日」と呼ばれる。この日は眉をしかめてはいけないと言われる。この日にイダーシェを焼く
    木:Zelený čtvrtek(緑の木曜日)最後の晩餐。チェコでは緑のものを食べるとよいとされている日で緑のビールも飲めます。 イダーシェを食べる日。
    金:Velký pátek(聖金曜日)キリストの受難。キリストが十字に架けられ処刑された日。肉を食べずに魚やスープを食べる日。衣類を洗ってはいけないと言われる。
    土:Bílá sobota(白い土曜日) /4月3日復活祭前夜。悲しみの日。白いローブを着て教会に行くことから「白い土曜日」と呼ばれる。マザネッツを焼く、ナーデイフカを食べる
    Boží hod velikonoční neděle/Velikonoční neděle(イースターの日曜日)復活祭、イエスが復活したとされる日。この日は復活を祝う日で羊などお肉を食べますが、羊型のベラーネックを食べたりします。
    月: Velikonoční pondělí(イースターの月曜日)チェコではある意味この日が本番! ポムラースカというムチでお尻を叩く・叩かれる日。

チェコのイースターは土日を挟んで4連休です。

通常であればイースター前にチェコを訪れるとイースターマーケットが開催されていたり、スーパーなどでもイースター商品が並び、わくわくした気分になります。
無宗教者が多いチェコですが、春の訪れを祝うイースターはクリスマスに並ぶ一大イベント。
今年は寂しいイースターですが、少しずつイースターの準備をしようと思います。
来年こそは明るいイースターを迎えたいですね。