チェコ人はきのこ狩りが好き

2024年10月02日

多くのチェコ人は、秋になるときのこの香りが広がる場所へと誘われこぞって森へきのこ狩りに出かけます。 きのこ狩りが趣味という方、きのこ愛好家が少なくありません。 チェコ水文気象研究所から国内のさまざまな地域のきのこ発生確率マップが更新され、ニュースやインターネットでも取り上げられます。 きのこの成長に欠かせないのが、温度と降雨量です。 十分な湿気と適度に暖かい気候など条件が揃うと待ちに待ったきのこ狩りのシーズンの到来となります。

チェコの国土は、33%が山地で、林業も盛んです。 木材として伐採し、建築資材として、または暖炉などで使う薪など燃料として、または家具、紙類など多くの分野で重宝されています。 森はLESY CRと言う森林組合が管理し、伐採と植林が繰り返されいつも人の手が入っている状態です。

私は日本ではきのこ狩りを経験したことが一度もなかった為、初めて連れて行ってもらった時の衝撃をよく覚えています。 森の中で、どこにあるのか、どんなところに生育しているのかもわからない小さい小さいきのこを、、、だだっ広い森の中で手当たり次第探すって、、、途方もない、とんでもない行為だなぁ、、、何が一体おもしろいんだろう、、2時間も森の中をウロウロするなんて、、。 ただただ無駄に歩き回り、きのこを発見しても、毒きのこで食べることのできない種類のものばかりで発見する楽しみなど全くなくただ徒労に終わりあまり楽しめませんでした。 幸い犬の散歩を兼ねて森に入る為、まぁ、、行ってもいいかなぁ、、それ以来毎年きのこ狩りに行くようになり、今となってはきのこ狩りも上達しました。
多くのチェコ人にとっては、幼い頃から祖父母と、家族できのこ狩りに。 身近なレジャーの一つとして親しみを持っている為、きのこ探しは心躍る童心にかえる一時のようで森と一体となってきのこを探す時間は、インターネット環境、スマートフォン、日々の雑音、雑念を一切遮断し、無音に近い、ただ唯一鳥の囀りが響き渡る森の中で脳の解放、瞑想に近い感覚のようです。 無心にきのこを探すと、頭が休まるまたは森の緑に目が癒される。 だからきのこ狩りが好きという友人がいます。 ところが、私は森や山に慣れていない為か森の中にいると静かで怖い、、きのこ探しにすぐ飽きてしまう、、。 幸いチェコの森で熊が出没したと言うニュースは聞きません。

どんな場所にきのこは生育しているのか教えてもらうと針葉樹林(マツ化のトウヒ林、モミの木のようなクリスマスツリーに使われる木、赤松)の根本。 特に苔が生えている湿り気のある所で生息することが多いようです。 もちろん毒キノコも生息していますから、私達は知っている種類だけを採取します。 きのこの傘裏の部分にヒダのあるタイプは毒キノコのことが多く、きのこ狩り初心者の私は触りません。 傘裏の部分がスポンジ状になっているタイプのきのこは食用であるようです。 なかでも、Babka(Xerocomus chrysenteron)、Hrib dubak(Boletus edulis)(ポルチーニ茸、ヤマドリ茸)という品種は香り高く、味も美味しく一般的に好まれるきのこです。

きのこを採取したら早めに下処理することが鉄則です。 私はすぐ料理するのは抵抗があるため、きのこを薄く切り5日ほど窓際に置き乾燥させてから(干し椎茸のような状態)常備材として保管し、スープに使うことがほとんどです。 なぜなら、きのこを切った時小さな虫が出てくることがあります。 もちろん虫食いの部分は捨ててしまいますが、なんとなく気持ち悪い印象が拭えません。

他にもスープやフライ、きのこソース、ピクルスのように酢漬けにしたり、冷凍にしたりと色々応用が効きます。 きのこを足すだけで芳醇な香りが広がり、味に深みが増し森のお肉と呼ばれるのも納得の美味しさです。 また、自分で見つけた喜びも増し秋を感じる家庭の食材の一つです。