プラハのカフェ・ミレーメ

2021年08月21日

あーあ、自分へのご褒美でケーキ食べちゃおっかなあー。
テストに合格した日、ビザの更新手続きの書類をオフィスに提出できた日、ビザを取得できた日、落ち込んじゃうほどいやなことがあった日、ほっと一息つきたいとき...。

チェコに来て、ビール疲れ、肉疲れ、ジャガイモ疲れになったとき・・・。
チェコの伝統的なケーキやパラチンキではなく、ちょっと高いけど美味しいケーキが食べたーい!
そんな時は、日本好きなフランス出身のオーナーとキルギス出身のパテェシエによるプラハの
カフェ・ミレーメ「Café Millème」へ。

フランス語ではミレーム、最期の文字は発音しないみたいですが、オーナーに確認したところ
日本人のお客さんは、よく「カフェ・ミレーメ」と呼んでくれているので、そのまま読んでいいですよと嬉しそうに教えてくれました。意味はフランス語の造語で、チェコ語で言うとMilujeme mouky、日本語では私たちは小麦粉が大好きですみたいな感じだそうです。確かに、ケーキ屋さんには小麦粉欠かせないですよね。

夏は美味しいフルーツを活かすタルト、王道のクリームとイチゴの組み合わせのタルトだけではなく、抹茶とラズベリー、キャラメルとアプリコット、マロンクリームとブルーベリー、チョコレートとサクランボ等、一つのタルトも大きめで食べ応えがあります。なかなか他では食べられない組み合わせもあるので、是非試してみてほしいです。私のおすすめは、マロンクリームとブルーベリーの組み合わせのタルトです。

カップアイスもあります。バニラ、イチゴ、塩キャラメル、ココナッツ、抹茶などなど全てアイスを作るのに必要なものしか入っていないそうです。

お餅も売っているときがあります。絶対に毎日売っているわけではないので、インスタグラムで確認したり、問い合わせしてもいいと思います。日本風よりもフランス風というか、クリームが多めです。白大福、抹茶、ほうじ茶、バニラクリームにゆず味、マロンクリームなどスタンダードからミレーメのオリジナル味まで幅広いです。ケーキは、そのケーキの特徴から名前をつけたり、彼らが訪れたところからヒントを得たりしているようです。世界にある場所の名前が付けられています。

例えば、宮崎 というケーキでは マンゴークリーム、京都というケーキでは 抹茶、ビシュケク というケーキでは ケシの実とシーバックソーン(ちょっと酸っぱい)とポピーの絵モラビア というケーキでは スリヴォヴィツェが隠し味で入っていたり...
ヨウコツノ というケーキもあって、え?日本人?と思い、確認してみたところ、フランスでは人気のコミックスの主人公だそうです。かっこいい女性なんだそう。栗、ゴマ、ほうじ茶と日本の和を連想させられます。

基本的にはクリームが多めで、スポンジとの割合の断面が見える形(綺麗に切られているので見てほしいです、そして若干断層の太さが違っていて、味の計算されているなあと思います。)、丸い形、バラの形もあります。近年のクリスマスは、ツリーに飾り付けるカラフルなオーナメントボールをイメージして、それに合わせて味も種類もありました。バレンタインではハート形、イースターは卵型など、季節やイベントに合わせて、商品も変わっています。グルテンフリーやヴィーガンのケーキもあります。

友達やお世話になった人に渡すプレゼントにはマカロンもおすすめです。プラハで一番おいしいと言われていたり、観光で来たフランス人も美味しいと言ってもらえているので、嬉しいと言っていました。売れ筋は、ピスタチオ、バニラ、チョコレート、ラベンダー の王道が多いみたいですが、柚子わさび、抹茶ラズベリー、ほうじ茶、ごま、シソなど変わり種もあって面白いです。

クロワッサンやキッシュも忘れてはならないです。朝だったらアーモンドクロワッサンがおすすめです。最近チェコ国内全体で、今までの伝統的なチェコのパンのスタイルとは異なるパン屋さんが増えていますが、ケーキ屋さんのパンもおすすめです。シナモンロールもあります。

ちなみに、キッシュをほんの少しじわじわ温めるといいにおいがしてきます。サラダと一緒にお昼におすすめです。

また、マスタークラスも月に数回、週末開催されています。個人でも受け付けているみたいです。
エクレア、餅、マカロン、フルーツタルトの作り方を教えてくれます。詳しくは、インスタグラムやホームページにて。ちなみに私は、知り合いと餅のコースに参加しました。おばあちゃん直伝の餅の作り方とは少し違ったやり方でしたが、美味しく作れました。他の生徒さんは、お菓子作りが趣味の方や他のケーキ屋さんで働いていて、餅の作り方を教えてほしいなど、和気あいあいと楽しむことができました。

店内も落ち着いた雰囲気で居心地がいいです。壁の木材の箱には大陸の意味があったり、オーナーが描かれた大きな世界地図も見どころです。
長い緊急事態宣言があけて、やっと外を普通に歩けるようになり、久しぶりにプラハに行くことができました。

古いお店や、カフェ、お土産屋さんなど中心地にあった観光客向けのスポットのシャッターが閉まっていたり、他のお店に変わっているのを見ました。中でも一番ショックだったのが、フランツカフカの生家の一階にカフカカフェがあったはずなのに、ビールシャンプーなども販売している、チェコの有名な石鹸屋のマヌファクトゥーラになっていたことです。大手に買い取られてしまったんでしょうね。観光客のおかげで成り立っていたところは、だいぶダメージが来ていて、寂しく感じました。逆にチェコ人、地元の人が通っているところは、中心地でも自粛期間中もどうにか耐えたみたいです。