ブルノの自由広場の本屋さん

2016年12月23日

ブルノの自由広場の前にパトカーと消防車が停まっているので何か起きたのかと思いながら進んでいきました。

ベルリンで起きてしまったテロの影響で、ブルノの警察と消防のテロ対策は、パトカーと消防車を広場の入り口に停車する、でした。

自動小銃を持った警察官が数人います。クリスマスシーズンだけのイルミネーションを身にまとったトラムがもう自由広場を通過することはなくなってしまいました。

昨日の夕方は多くの人でごった返していました。両手にクリスマスプレゼントを抱えた人が急ぎ足で家路に向かっていました。

今日はもう自宅でプレゼントの包装や、クリスマスの食事の準備でどこの家も大忙しなので、ブルノの中心にあります自由広場の人の数は少なめでした。

そんな今日、自由広場に面している唯一の本屋さんが、ひっそりと閉店を迎えました。

以前地球の歩き方の特派員ブログで紹介したカフェも今年で閉店してしまいましたが、まさか今年この本屋さんまで閉じてしまうとは思いもよりませんでした。

ブルノの街や歴史や偉人など、ブルノに関する書籍を豊富にそろえ、また、チェコ国内のお城を初め、様々な街や遺産の本もそろえている、小さいながらもお店の気持ちが感じられるとても素敵な本屋さんでした。


在庫整理をされていたことと、最後のお別れを言いに訪ねて本を買っていくお客さんたちもいて、戸棚が大分すっきりしたなと思っていたところに、なんと日本のとある村の写真集がありました。記念に私はこの本を頂きました。後日ご紹介したいと思います。


私が好きなお城に関する書籍を3冊もそろえてくれている本屋さんはここだけでした。

これからご紹介していくモラヴィア地方のお城についての本も、こちらで何冊か手にすることができました。現地の売店でしかみかけないものもありましたので、今回閉じられることになって本当に残念です。

ですがブルノの別の店舗で営業は続けられるとのことですので、後日訪ねてご紹介したいと思います。

街の人口が増えているとは感じているのですが、地価も上昇しているようです。

その影響が大きく出てしまっているのでしょうが、自由広場にあるお店がマクドナルド、スターバックス、ニューヨーカー、ケンタッキーフライドチキン、というのは、チェーン店のため普通のチェコのお店よりも営業時間が長いので、待ち合わせには便利ですし、味も外れないという意味でもやはり便利ではあるのでしょうが、ちょっと残念だなと感じます。

広場をちょっと進むと、ローカルなお店が出てきます。少しずつご紹介していきたいと思っています。

ちいさな本屋さんがなくなっていってしまっているというのは、何もブルノに限ったことではないですが、本屋さんが売りたいというものに個性があって、何を扱いたいのかがお店の中で感じられて、質問するとおすすめをさっと出してくれて説明を添えてくれる。

その街を知っていて、その街のことが好きで、その街をずっと見続けてきた、そういう街の一部のような、街を支えた本屋さんは、大切にしていきたいものだと感じます。

どこでも買える本ならなるべく小さい本屋さんを選んできましたが、涙をこらえてお客さんの一人一人に話しかけていた店主の奥さんの顔を見ていると、もっとがんばって沢山買って読めるよう努力しようと気持ちを強く持ちなおした一日でした。